花粉分析 (1)処理方法 @分析試料 分析に供する試料は、およそ30g以上とする。処理量を多くすることにより含有量の少な い花粉(化石)を濃縮し、統計処理上有意な数の花粉(化石)を検出する。 A分析処理 分析処理の手順を下記のフローチャート(渡辺,2009)に示す。 また、1ミクロン振動マイクロフィルタ−を使用することによって、処理過程の再現性を 高めること。 (2)顕微鏡による検定・計数 プレパラ−トを生物顕微鏡により400〜1000倍で観察し、メカニカルステ−ジによる帯分 析により原則的に木本花粉で100〜250個の検定、計数を行う。同時に出現する草本花粉、 胞子の検定、計数も行う。 (3)解析方法 花粉分析結果の解析手順は、概ね次の通りである。 1)D.M.D.(渡辺・後藤,2007)による、各花粉分類群毎の出現率(パ−セント表示)計算 と花粉ダイアグラムの作成 2)各地点における花粉消長パタ−ンの読みとりと花粉帯分帯 3)地層対比や古植生・古気候の復元 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・ 〔処理手順〕 〔処理内容〕 基準量摘出 汚染部分を除去し、試料の粒度により10〜200gを使用  ↓ 泥化分散処理 KOH溶液等の分散剤により試料をシェイカーで泥化・分散  ↓ 細粒物質除去 1μ振動篩でコロイド分を分離・除去  ↓ 微化石濃縮 大型時計皿とアスピレータにより時計皿法で微化石を濃縮  ↓ 弗化水素酸処理 珪酸塩鉱物質を溶解・除去  ↓ 重液分離 比重約1.9の重液中で遠心分離し植物質を濃縮  ↓ 脱水処理 アセトリシス処理により脱水とセルロース分を溶解・除去  ↓ 水洗・濃縮 遠心分離器により水洗し、水溶性物質を溶解・除去  ↓ 標本作成 グリセリンゼリーにより包理しプレパラートを作成 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・ 花粉分析処理フローチャート